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【禁聞】中国 警察と民衆の衝突が頻発  「公共関係警察」で緩和できるか

2012年12月26日
 
【新唐人2012年12月26日付ニュース】中国では近年、警察と民衆の矛盾が日増しに悪化し、各地では衝突が頻発しています。近日、中国人民公安大学は、いわゆる公共関係警察の専門的な養成を行う“警察公共関係研究センター”を成立。センターの責任者によると、設立の目的は警察と民衆の関係を緩和させるためだそうです。では、警察と民衆の矛盾は一体何が原因なのでしょうか。中国共産党はまず暴力による安定維持の手段を変えなければならないとの指摘がある一方、元警察関係者は、これは中国当局が冤罪を隠すための新たな手段に過ぎず、警察と民衆の関係の改善は難しいと指摘します。
 
中国メディアによると、12月22日、“中国人民公安大学警察公共関係研究センター”が北京で成立。2013年から公共関係学を専門とする大学院生を募集し、ハイレベルの“公共関係警察官”を養成するそうです。
 
センターの責任者はメディアに対し、センター設立の目的は、公共関係課程の養成を通じて、警察と民衆の間の“調和の取れた発展”をはかるためだと述べました。一方評論家は、今の中国の警察と民衆の関係は、公共関係学の学問を学ぶだけで改善できるものではなく、警察に欠如しているのは、表面上の理論知識ではないと指摘します。
 
北京の政治評論家 華さん
「暴力による安定維持によって、警察の公共イメージは非常に醜くなり、民衆の警察に対するイメージは非常に悪いものとなっています。だから香港の警・民公共関係科をまねて、警察のイメージを修復しようとしていますが、無駄だと思います。警察のイメージを変えるには中共はまず安定維持のための暴力手段を根本的に変えなければなりません」
 
元警官 陳軍育さん
「これらいわゆる公共関係は全て見せ掛けのもので 、人を騙すためです。問題は解決してくれません。問題はいかに実際の行動で公共関係を処理するかにあります。つまり、執務中に生じた民衆との矛盾をいかに法規に基づいて、正確に処理するかです。問題の根本は警察の上層部にあります」
 
収賄の罪を着せられ、2003年から陳情を続けている元警官・陳軍育さんは、広東省広州市の派出所の副所長でした。陳さんによると、警察公共関係部門は、公安局内部に早くから存在しており、今になって具体化、公開化され、政府部門から学術研究機構に変わっただけで、実質的な変化は何もなく、机上の空論にすぎないと指摘します。
 
近年、中国では社会矛盾が深刻化し、暴力による法律執行現象が氾濫し、各地では大規模な警察・民衆衝突事件があとを絶ちません。2012年だけでも、“広州市清遠で千人が警察数百名と大混戦”、“広西で1万人が大規模抗議”、“広州市中山で反テロ部隊が発砲、催涙弾などで四川籍農民工を鎮圧”、“警察千人と・イスラム教徒の衝突事件”等の大規模衝突事件が発生しています。当然ながら、これら事件で死亡または負傷したのは、いずれも民衆のほうです。
 
北京の政治評論家 華さん
「この社会は不公平、不公正で溢れているため、自分の権益を守るために誰かが立ち上がります。民衆が自分の合法的な権益を守る時、警察は民衆を攻撃する暴力道具となっているので、そのイメージが良いはずがありますか」
 
一方、陳さんは、冤罪事件はますます多くなると示します。なぜなら、冤罪を蒙った者が陳情したら、当局は冤罪を隠蔽するために新たな事件を作り出すからだといいます。冤罪事件と民衆の利益の侵害はますます酷くなるだけで、解決の希望は全くないと述べます。
 
元警官 陳軍育さん
「だから我々の上訴、陳情に対して、警察は同じ手法をとり、さらに多くの新らたな違法行為をもって、彼らの犯罪行為を隠蔽しようとします。無実の罪を着せられ、不公平に扱われ、警察によって酷い仕打ちを受け、さらには刑務所に入れられることはますます多くなるだけです」
 
中国の警察と民衆の矛盾は、官僚と民衆の矛盾の反映でもあります。当局の腐敗の深刻化に伴い、警察は既に中国共産党のボディーガードとなっているのです。
 
元警官 陳軍育さん
「(中共)リード下にある公安局はマフィアと同じで、手段を選びません。何の法律意識もなく、眼中にあるのは自分の利益と官職を守ることだけです。彼らはすでに憚る事は何もないところまできています。彼らに人民への奉仕とか問題解決などを期待してはなりません。人間性を全てなくしています」
 
あるメディアは、表面上は警察の職権濫用、職権で私利を謀る等によって民衆との間で衝突事件が頻発しているように見えるものの、その根源はやはり中国共産党の一党独裁および高圧的な統治下で日増しに蓄積されている民衆の不満にあると分析します。
 
新唐人テレビがお伝えしました。
(翻訳/松本 編集/坂本 ナレーター/大口 映像編集/工)
 

 

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